税負担増の相続税改正で二次相続を踏まえた対策と節税の必要性

2018-03-29
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2015年から改正・適用されている相続税の変更内容についてご存知でしょうか?この相続税の改正によって、土地や家屋を相続する際に想定していなかった出費に困る方が続出しているようです。
今回は、そのような状況を少しでも多くの人が回避し円満な相続をするために、二次相続の説明やその対策についてご紹介します!

相続税の改正について

2015年1月から相続税の一部が改正され、2015年1月以降に土地や財産などの相続を行う際にかかる相続税の負担が変わることとなりました。具体的に、以下のことが挙げられます。

 

    • 相続税の基礎控除額改正

基礎控除額が改正前より6割減らされたため、相続税を支払わなければならない人が増えたと言われています。
改正前:5000万円+(1000万円×法定相続人の数)
➡ 改正後:3000万円+(1000万円×法定相続人の数)

例えば、父親が亡くなり、不動産7,000万(相続財産)を法定相続人である母親、長男と長女で相続すると仮定します。


改正前:基礎控除額=5,000万円+(1,000万円×3人)=8,000万円
となり、基礎控除額が相続財産7,000万円を超えるので納税の必要がありません
➡ 改正後:基礎控除額=3,000万円+(1,000万円×3人)=6,000万円
となり、基礎控除額が相続財産7,000万円を下回るので納税の必要がでてきます。

    • 税率構造の改正

相続する金額毎に相続税率は異なっています。改正後は、2億円~3億円以下の相続した金額については45%(改正前は40%)の税率となり、6億円以上の相続した金額については55%(改正前は50%)の税率となりました。

    • 税額控除(未成年者控除、障害者控除)

未成年者と障害者に関しては控除される税額が引き上げられました。

    • 小規模住宅等の特例

亡くなった被相続人が使っていた土地や建物を、相続人が継続して使う場合は評価額を50~80%減額できるというものです。この特例を適用させることで、相続する財産総額が抑えられることができます。
改正後は、適用される対象面積や上限面積が変更になったことが挙げられます。

 

一次相続と二次相続とは

上記のことを踏まえ、さらに「一次相続」「二次相続」についてご紹介します。例えば、父親、母親と長男、長女の家族がいたとします。この場合、父親が亡くなった場合には法定相続人が母親、長男、長女となります。これが「一次相続」になります。
さらに、父親が亡くなった後に母親も亡くなった場合、法定相続人が長男、長女となります。これが「二次相続」になります。
特に、「二次相続」の際に納める税負担額は高額になりがちだとされています。なぜならば、配偶者(母親)の税額負担が利用できない、法定相続人(母親)が減ることで基礎控除額も減額されるからです。よって、二次相続にかかる税金を考慮し、損をしないための二次相続対策の計画を一次相続の時点から検討されることをおすすめします。

 

損をしないための二次相続対策

それでは、具体的な二次相続対策についてですが、結論から言えば、一次相続の際に、母親だけではなく、その子供も財産を受け取っておくとよいでしょう。

例えば、父親(不動産、預金などで財産が1億円)、母親、長男、長女の4人家族がいたと仮定します。
    • 一次相続の場合(長男・長女にも相続させる)・・・

父親の残した1億円を、母親と長男・長女で財産分与したとすると、母親が5,000万円、長男・長女にそれぞれ2,500万円の財産が分け与えられます。
一方、相続税の基礎控除額を計算(3,000万円+600万円×3人=4,800万円)し、父親の残した財産1億円から基礎控除額4,800万円を差し引き、課税額を決定します。
その課税額に対し、相続税率を掛け合わせると母親の課税価格が0円、長男・長女それぞれの課税額が157.5万円と算出されるのです。(母親は配偶者控除が適用されるので0円となります)

    • 二次相続の場合(長男・長女だけで相続する)・・・

母親も亡くなり、母親が持っていた財産1億円(母親はもともと5千万円持っていたとする)を長男・長女で財産分与したとすると、長男・長女それぞれ5,000万円ずつの財産が分け与えられます。
一方、相続税の基礎控除額を計算(3,000万円+600万円×2人=4,200万円)し、母親の残した財産1億円から基礎控除額4,200万円を差し引くと、長男・長女それぞれの課税額が決定します。
その課税額に対し、相続税率を掛け合わせると、長男・長女それぞれの課税額が385万円と計算され、合計で770万円の納付が必要となります。

 

よって、一次相続と二次相続で長男・長女の納税額が1,085万円だということがわかります。

一方で、二次相続対策をしなかった場合の納付額を計算してみると以下のとおりとなります。
    • 一次相続の場合(長男・長女は相続しない)・・・

父親の残した1億円を、母親だけで財産分与したとすると、
相続税の基礎控除額を計算(3,000万円+600万円×1人=3,600万円)し、父親の残した財産1億円から基礎控除額3,600万円を差し引き、課税額を決定します。
その課税額に対し、相続税率を掛け合わせると母親の課税価格が0円と算出されるのです。(母親は配偶者控除が適用されるので0円となります)

    • 二次相続の場合(長男・長女だけで相続する)・・・

母親も亡くなり、母親が持っていた財産1億5千万円(母親はもともと5千万円持っていたとする)を長男・長女で財産分与したとすると、長男・長女それぞれ7,500万円ずつの財産が分け与えられます。

一方、相続税の基礎控除額を計算(3,000万円+600万円×2人=4,200万円)し、母親の残した財産1億5千万円から基礎控除額4,200万円を差し引くと、長男・長女それぞれの課税額が決定します。
その課税額に対し、相続税率を掛け合わせると、長男・長女それぞれの課税額が880万円と計算され、合計1,760万円の納付が必要となります。

以上のことから、一次相続の際に、子供も財産分与をうけたほうがよいことがわかります。

さいごに

財産分与額が大きくなればなるほど負担額が大きくなるので、それが予想できる方は、親族の方が元気に活躍されてる今のうちに家族会議を開き、二次相続対策をされると想定外の出費を回避することができることができるでしょう。必要に応じて専門家に相談されることもおすすめします。

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