共働きの時代における住宅ペアローンの組み方

2018-02-26
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はじめに

マイホームの購入は、人生における最も大きな買い物の一つです。住宅ローンを組んで、念願のマイホームを購入する家庭は多いことでしょう。
日本においては、夫婦で共働きをする世帯が年々増加の傾向にあります。かつては、一家の大黒柱である夫の単独名義で住宅ローンが組まれることが一般的でした。しかしながら、夫婦共働きの増加によって専業主婦の妻が減った現在、夫婦のそれぞれに収入があることを最大限に生かして住宅ローンを組むという家庭が増えてきています。

今回は、共働きの時代における新しい住宅ローンの形である「ペアローン」の組み方について、そのメリットとデメリットも含めて詳しく解説します。

住宅ペアローンとはどのようなもの?

住宅ペアローンとは、夫と妻がそれぞれ個別に住宅ローンを契約することを指します。
たとえば、4,000万円のマイホームを購入するとします。住宅ペアローンは「4,000万円の住宅ローンを夫婦二人で組む」のではなく、「夫が3,000万円、妻が1,000万円」といったように、夫婦がそれぞれの収入に応じた金額を一人一人借り入れるということです。
つまり、一軒のマイホームに対して夫と妻のそれぞれが主債務者となり、住宅ローンの契約を二つ結ぶことになります。

住宅ペアローンのメリット

  • 単独ローンよりも大きな金額のローンを借りることができる
  • 夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることができる
  • 夫婦それぞれに団体信用生命保険の保障がかかる

 

単独ローンよりも大きな金額のローンを借りることができる
単独ローンをはじめ、他の数あるどの住宅ローンよりも、住宅ペアローンの借入可能金額は大きいです。理想のマイホームを妥協することなく手に入れたい夫婦にとって、夢を実現することができる住宅ローンと言えるでしょう。

 

夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることができる
住宅ローンを組んで要件を満たした場合、税金が軽減される「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」を受けることができます。住宅ローンを組んでマイホームを購入すると、12月末時点のローン残高の1%が、その年に支払った所得税から控除され、その結果として翌年支払う住民税が軽減されるという制度です。
住宅ペアローンは、夫婦それぞれがローンを契約するため、住宅ローン控除も夫婦二人分それぞれ受けることができます。
現在、住宅ローン控除は最長10年間適用されることになっており、住宅ペアローンを組んでその恩恵を受けられるのは、10年間共働きを維持した場合です。

 

夫婦それぞれに団体信用生命保険の保障がかかる
夫婦それぞれの住宅ローン契約につき、一つずつ団信の保障がかかります。
つまり、もしも夫が死亡すれば、夫名義で組んでいる住宅ローンの返済はなくなり、妻が死亡すれば、妻名義で組んでいる住宅ローンの返済はなくなります。

 

住宅ペアローンのデメリット

  • 夫婦どちらかが退職した場合のリスクが高い
  • 夫婦どちらかが退職すると住宅ローン控除も一人分になる
  • 住宅ローン二つ分の銀行審査や事務手数料を要する
  • 夫婦それぞれの住宅ローンに対して団体信用生命保険が適用される

夫婦どちらかが退職した場合のリスクが高い
住宅ペアローンの最大のメリットは、単独ローンでは借りることのできない額の住宅ローンを組めるということです。裏を返せば、住宅ペアローンを組んだにもかかわらず、もしも夫婦どちらかが退職した場合、一人の収入では返済が困難なローンを抱えることになってしまいます。
向こう10年は夫婦ともども安定した職場で働き続けて収入を得ることができるという確信がないかぎり、夫婦ペアローンを組むことはリスクが高いと言えます。

 

夫婦どちらかが退職すると住宅ローン控除も一人分になる
夫婦のどちらかが退職した場合、控除対象となる所得税がなくなるため、住宅ローン控除もなくなってしまいます。二つの住宅ローンの返済はそのまま残るうえ、住宅ペアローンのメリットである、住宅ローン控除が一人分になってしまうというリスクがあります。

 

住宅ローン二つ分の銀行審査や事務手数料を要する
夫婦が個別に住宅ローンを契約することになるので、銀行審査はもちろんそれぞれ受ける必要があります。また、事務手数料といった諸費用もローン二つ分かかってきます。
住宅ローンの契約書の記入や必要書類をそろえるのはなかなか骨が折れる作業ですが、これらの手間も当然ながら二倍になります。
なお、借入額にもよるものの、夫婦二人分受けられる住宅ローン控除によって、諸費用の増額分は1~2年で回収できることが多いと言えます。

 

夫婦それぞれの住宅ローンに対して団体信用生命保険が適用される
これはメリットと表裏一体のデメリットになります。住宅ペアローンは、夫婦それぞれのローン契約に対して団信が適用されます。
そのため、夫が3,000万円、妻が1,000万円の住宅ペアローンを組んでいるとして、万が一、夫が死亡した場合、団信の適用は夫側の3,000万円のローンにのみとどまり、妻の1,000万円のローンは残ることになります。子どもの教育費などを考えると、これは負担が重いと言えます。
このような事態を防ぐためにも、夫婦連生団信(名称は各金融機関によって異なります)という特約をつけることをおすすめします。0.1%~0.2%程度の金利を上乗せすることで、夫婦どちらかが死亡した場合は、夫婦双方の団信が適用され、住宅ローンの残高がゼロになります。

 

住宅ペアローンの組み方

夫婦それぞれにまとまった収入が安定してある場合、住宅ペアローンを組むことが視野に入ってくるでしょう。単独ローンよりも大きな額のローンを組めることが最大の魅力です。
では具体的に、住宅ペアローンはどのようにして組むのでしょうか?

  1. 住宅ペアローンを組む大前提とは
  2. 住宅ペアローンは、夫婦どちらも、出産や育児からの復帰が可能な安定した職場に勤めていることが大前提となります。前述したように、一人では支払うことが困難な額のローンを組むため、万が一早期に夫婦のどちらかが退職してしまって収入が一人分になった場合、ローン返済ができなくなるというリスクがあるからです。
    そのため、共働きとは言っても、どちらかが非正規社員であったり、出産や育児からの復職が難しい職場に勤めていたりして、近い将来退職の可能性が少しでもある場合は、安定した収入がある人のほうで名義で単独ローンを組むべきです。
    また、万が一離婚をすることになっても、基本的に住宅ペアローンは解消できません。各自の組んだローンを離婚後も返済し続けることになります。

     

  3. 借入比率の決め方
  4. 住宅ペアローンを組むにあたって、夫がいくらのローンを組み、妻がいくらのローンを組むかを決める必要があります。このことを「借入比率」と言います。
    借入比率は、「住宅ローン控除をなるべく多く受けられる金額」から検討します。10年間の住宅ローン控除金額を無料でシミュレーションできるWEBサイトもあるので、利用してみるのもおすすめです。住宅ローン控除金額を算出して、控除枠を使いきれる借入金額を逆算していきます。

     

  5. 借入比率に応じてマイホームと土地の持ち分が決定
  6. 住宅ペアローンを組んでマイホームを購入すると、それぞれの借入比率に応じて夫婦のマイホームと土地の持ち分が決定します。借入比率を決めるには、あらかじめマイホームと土地の持ち分をどのようにしたいのか、夫婦でよく話し合っておく必要があると言えます。

 

まとめ

住宅ペアローンのメリットとデメリットを踏まえながら、組み方を解説しました。夫婦共働きが一般的になった現代にマッチしたローンの組み方であると言えます。
住宅ローンは長い年数の契約となります。人生は何が起こるかわからないため、住宅ローンを組むときはあらゆる可能性を考えてシミュレーションを繰り返し、慎重に決定することが不可欠です。
長期的な視野に立って、夫婦でよく話し合い、ライフスタイルに合わせて選ぶようにしましょう。

 

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