【宅建士が解説】世帯人数別にふさわしいマンションの広さ・間取り!

2019-09-09
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この記事のざっくりしたポイント

  • 人数ごとの平均面積・最低面積の目安
  • 内覧時に気を付けたいこと
  • 良い間取り・悪い間取り
  • 現在の流行の間取り

売り出されているマンションを見ていると、間取りも広さもさまざまです。

広さを見れば、30平米のコンパクトマンションから100平米越えの広々マンションまで、また間取りを見れば1LDKから概ね4LDKまで、色々なサイズのお部屋が提供されています。

マンション選びの際にはこれらのお部屋の中から、ご自身のライフスタイルに合ったものを自由に選択することが出来ますが、そうなったときに気になるのは「自分に合った広さ、間取りとは何平米、何部屋程度なのか?」ということです。

この部屋は何㎡ですって言われても、広いのか狭いのかイメージがイマイチ沸きづらいですよね。
初めての住まい選び、どれくらいの広さのお部屋を探せばいいの?何部屋位の物件がいいの?といった疑問は尽きません。この記事では世帯人数ごとに必要なマンションの広さ、部屋の数について詳しく解説してゆきます。

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人数ごとの平均面積・最低面積の目安

まずは住戸の専有面積の目安から解説しますが、お部屋は広ければ広いに越したことはありませんが資金にも限度があります。

その中でこれくらいを目指せば十分だろうというラインを知っておくことは、すまい選びに役に立つと思います。

『住生活基本計画における「居住面積水準」(国土交通省)』

上記の表は、国土交通省より指針として出されている世帯人数ごとの求められる居住面積を表したものです。

基準には2つあります。一つが最低基準です。これはマストで確保すべき住宅面積を表していて、その名の通り最低このくらいはないと厳しいという目安になります。もう一つが誘導基準です。これはベターで確保できると良い住宅面積を表していて、豊かな住生活の実現に必要な目安になります。

なお、誘導居住面積には「一般型」と「都市居住型」の数字があります。都市部と郊外のライフスタイルや地価の違いから、別で項目が設けられています。

住まい選びの際には、一般に誘導基準を目指し、資金や立地の関係でやむを得ない場合は最低基準が目安になってきます。

ここからは、世帯人数に応じた必要な広さを、マンションデベロッパー勤務の筆者が、業界の通例や自身の感覚値を交えて説明していきます。

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3人家族の場合

3人家族の場合、一般型で100㎡、都市居住型で75㎡が望ましいとされています。

業界で実際に提供されているファミリーマンションの広さは75平米前後が多いため、この数値はおおむね一致しています。逆に、最低基準の40㎡では快適な生活は難しいと思います。

なお、分譲物件は、都心部では価格を抑えるために面積が縮小される傾向にあります。ファミリーマンションも例外ではなく、現状では都心物件では60㎡代の住戸も提供されていますので、資金によっては60㎡代も検討する必要もでてきます。

4人家族の場合

4人家族の場合、一般型で125㎡、都市居住型で95㎡が望ましいとされています。

ただし、100平米前後の物件はリタイアしてお金のあるシニア夫婦など、富裕層に売れているケースが多いイメージです。では、特にセレブでもない一般消費者ではどうかといいますと、物件の売れ行きからは、実際には80㎡台の物件に住んでいる4人家族も多いと感じます。

逆に最低基準の50㎡については狭すぎると思います。一般的な3人家族がよく住んでいる3LDKが75平米程度ですので、それの2/3の広さしかないというところで、いかにも狭そうなのがお分かりいただけるでしょう。

2人家族の場合

2人家族の場合、一般型で75㎡、都市居住型で55㎡が望ましいとされています。

都市部では55㎡、郊外では75㎡を目指すと豊かな住環境を得られるということです。75㎡はファミリーマンションとしても一般的な広さなのでかなり余裕があると思います。

ただし都市居住型の面積ついて、こと東京や、東京近郊の都市部においては、特にセレブでもない一般消費者の住宅購入で、55㎡面積の確保はいささか現実離れしている様にも感じます。

実際には、最低基準の30㎡に近い、30~45㎡程度の確保を目指すことになるでしょう。今日ではDINKSが住みやすい様に最適化された間取りの物件なども提供されているので、ファミリーマンションを購入して広さをもてあますよりは、そういったマンションの購入を検討することをお勧めします。

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1人家族の場合

単身で住む場合、一般型で55㎡、都市居住型で40㎡が望ましいとされています。しかし、市況を見てみるとこの面積は少し大きすぎるようにも感じます。

今日、単身者用に最適化された間取りのコンパクトマンションが台頭してきています。これらのマンションの専有面積は、30㎡~45㎡くらいのレンジに収まります。

筆者も30平米代のマンションに住んでいますが、単身者であれば昼間は家に誰かがいるわけでもないので、掃除の手間などを考えても、これくらいの大きさの方がちょうどよいのではないかと感じます。

また、結婚などライフステージの変化があったときに、小さめの物件のほうが小回りが利くという利点もあります。

では逆に、最低基準の25㎡はどうでしょうか。25㎡というのは、賃貸の場合はよいと思いますが、購入を考えている場合は小さすぎる数字となります。なぜなら、多くの人は住宅を購入する場合、住宅ローンを使うからです。住宅ローンは一般に、30㎡以上の物件を対象としており、それを切ると自己居住用であっても、金利の高い投資ローンの適用となってしまうからです。

もしご自身が即金で購入できる場合であっても、また売りに出すときなどに、ローンが組めない=買える人が限られることになってしまうため、30㎡以上の物件をお勧めします。

まとめると、単身で住む場合は、30~45㎡程度のコンパクトマンションが一番手堅いということになります。
なお、コンパクトマンションをお勧めする理由については、下記の記事でも触れていますので、気になる方は見てみてください。

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マンションの間取りと家族の人数

次に、マンションの間取りについて解説していきます。同じ75㎡でも、3LDKなのか4LDKなのかによって、使い勝手は変わってくると思います。

例えば、子供が2人いる場合、夫婦の主寝室のほかに、大きな子供部屋が一つある場合と、小さな子供部屋が二つある場合では、同じ75平米でも、個室を割り当てることが出来るかどうかという点で違いがあります。それぞれの間取りに住める世帯構成の例や、使い方を説明します。

2LDKの場合

2LDKは、LDKのほかに2つの居室を備えた間取りです。適する世帯構成として、DINKS(子供を持たない夫婦)、熟年夫婦、子供一人までのファミリー、単身者などがあげられます。

ただし、ここで注意したいのが各居室の独立性です。例えば、廊下に面した開き戸で出入りするような部屋は独立性が高く、リビングとスライドドアで仕切られ、一体で使えるような造りの部屋などは独立性が低いといえます。

世帯構成ごとに部屋の独立性が高い方がいいのか、低い方がいいのかを解説します。

DINKSの場合はライフスタイルによって違います。夫婦一緒に寝る場合は主寝室のほかに、リビングと一体で使える部屋があった方が空間を広く使えます。

一方、互いの日勤と夜勤の兼ね合いや、親しき中にもプライバシーを求める場合など、寝室を別々に設けるケースでは、独立性の高い部屋が2部屋あった方が良いでしょう。

熟年夫婦の場合は、将来の介護のことを考えると、一緒の部屋で寝る場合であっても、別の部屋で寝る場合であっても、寝室はリビングに面している方が望ましいといえます。シニア向けマンションなどでもそのような間取りが一般的です。

子供がいる場合は、主寝室、子供部屋ともに独立性が高い方が良いでしょう。リビングと一体で使えるような部屋では、小さいうちはよいですが、思春期の子供にとっては十分なプライバシーを確保できないことがあります。

シングルの場合は、他に人がいないため、「リビングを広く使いたい」、「静かな書斎部屋を作りたい」など、使い方のイメージに合わせて選ぶことになります。

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3LDKの場合

3LDKは、LDKのほかに3つの居室を備えた間取りです。ファミリーマンションとして最も一般的な間取りで、売り出される数も多い間取りになります。

3LDKによくみられる間取りに、田の字プランと横Lプランがあります。両方とも、共用廊下側に2つの寝室とバルコニー側にLDKと一つの居室を備える間取りですが、南側の部屋の配置に違いがあります。

田の字は、バルコニーの幅の半分強がLDK、残りの半分弱が居室となっているプランです。LDKに隣接する居室に窓があり、仕切ってもつなげても使いやすいのが特徴です。

横Lはバルコニーの幅一杯のLDKを備えたプランです。明るいLDKが特徴ですが、隣接する居室はLDKを介しての採光(専門用語で二室採光といいます)となり、窓がないのが特徴です。

LDKに隣接する居室を寝室として使う場合などは、一般に田の字を選ぶと良いでしょう。

4LDKの場合

4LDKは、LDKのほかに4つの居室を備えた間取りです。部屋の内訳は、リビングと一体で使える1部屋と、独立性の高い3部屋という組み合わせが一般的です。一部屋は夫婦の寝室として使うとして、子供が2人いても、それぞれに独立した寝室を割り当てることが出来ます。

プランの種類としては、アルコーブに奥行きがあり住戸に食い込んでいる卍と呼ばれるものや、通常マンションの廊下は間取り図の縦方向が多いですが、横方向の廊下があってそこから奥の部屋にアクセスするものなどがあります。

子供の成長も意識したい

間取りを検討する際には、子供の成長も考えて、お部屋を選ぶ必要があります。賃貸であれば子供部屋が必要な年齢になったから引っ越すということも容易にできますが、一度ローンを組んで住宅を購入してしまうとそうはいきません。将来の住まい方を想像して、そのライフスタイルに対応できる間取りを選択することが大切です。

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その他の注意点

マンションの広さに関して、選ぶ時のポイントは数字だけではありません。ここからは、その他の注意点について触れていきます。

家具の大きさに注意

マンション購入時、モデルルームや内見を通して、広さが十分か確認すると思います。

しかし、中古物件や、新築でも竣工売り物件では、家具がない状態での内見となり、広さのイメージをつかみづらい場合があります。

一般に、家具のない状態の部屋は広く見えるものです。引っ越し時に家具を搬入してみたら、使おうと思っていた家具が大きくて配置できなかったなんてケースも耳にします。家にある家具の長さを測定の上、メジャーをもって内見に行くことをお勧めします。

また、新築物件のモデルルームは、部屋を広く見せるために通常よりも小さなサイズの家具を置いてある場合があります。こういった場合、通常の家具を置くとモデルルームのイメージよりも狭く見えるので注意が必要です。こういった場合でも、使いたい家具の測定と、巻き尺は必須のアイテムとなります。

内見する際のチェックポイントについては、別記事でも詳しく解説しているので、興味があれば下記を参照いただくことをお勧めします。

【現在執筆中】中古マンション内見時の注意点・チェックポイント

良い間取・悪い間取りについて

同じ専有面積でも、間取りの良し悪しによって使える広さが変わります。例えば、廊下が長い間取りの場合、その分居室の広さは狭くなってしまうということになります。

マンションの価格は坪単価×専有面積で概ね決まりますので、せっかくお金を払うなら、同じ1㎡でもきちんとフルで使える1㎡にお金を払いたいですよね。

間取りのチェックポイントについても、別記事のご用意がありますので、もし興味があれば併せて確認してみてくださいね。

【現在執筆中】マンション間取りのチェック

まとめ

広さや部屋の数は、家の使い方を左右するとても大切な要素ですので、皆様の世帯人数に応じた広さや間取り、実際の生活の具体的なイメージを持ったうえで、住まいの購入は進めてゆくことをお勧めします。

なお、マンションの住み心地は、広さや部屋の数だけでなく、価格、駅距離や周辺環境、共用施設の充実度や建物のデザインなど、ほかの要素も大きく絡んできます。様々な要素が絡んできますので、よく勘案して選ぶことをお勧めします。
このサイトにもいろいろな情報が載っているので、よかったら上部のメニューから、欲しい記事を探してみてくださいね。

ここからは2018年の記事

私は4人家族なんですが、同じ家族構成の他の家はどのぐらいの広さに住んでいるのかとても興味があります。
これには正解はありませんが、中古マンション購入者の一般的な考えを今日は解説します。

マンション探しをする際にはエリアや設備などと合わせて重要な条件となるのが広さや間取りなどの希望条件を設定すると思います。

ゆったりと暮らすためには専有面積が広いマンションが望ましいことは言うまでもありませんが、費用を考えると効率の良い物件を選びたいものです。そこで世帯人数別にふさわしいマンションの広さや間取りをチェックしていきます。

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家具を置くスペース等は要チェック

マンションの広さ・間取りはインターネット上などでも手軽に確認できます。そのため、今住んでいる物件と比較して数字を決めてしまうかもしれません。しかし、同じ専有面積でも物件によって広いと感じたり、逆に狭いと感じたりすることがあります。実際に物件を見学して広さのイメージをつかんでおくことが大切です。

物件内覧時には多くの部屋が広く感じられるはずです。家具などが一切置かれていない状態のため広く感じてしまうのです。ところが、実際に住むとなると当然ながら家具などを置くことになります。そのため、内覧時には広さに満足していたものの、引っ越しを終えてみると思ったよりも狭くに感じるのが通常なので気をつけてください。

家具付きのリノベーション物件の内覧時の注意

家具付きのお部屋の場合、おかれているダイニングテーブルや椅子が市販の物よりサイズが小さいことがあるので注意です
そこに普通のサイズのテーブルを置いてみると、椅子が通路にはみ出してしまうことが多々あります。ただ、内覧後も好印象が残り少し金額が高くても購入を決めてしまいます
錯覚商法みたいな販売方法ですね。
当社の営業スタッフはその場合にはお客様に注意喚起をしますが、特に女性は一度気に入ってしまうと無理をしても購入する傾向があると感じます。
女性の方には気を付けていただきたいですね。

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住生活基本計画における「居住面積水準」

出典:国土交通省資料より

まず内覧する際には家具をどこに置くのかをイメージし、設置後もスペースが狭すぎないかの確認が必要です。
では、快適な生活に必要な専有面積を具体的に見ていきます。「誘導居住面積水準」をもとに考えますが、マンションであれば単身世帯なら40㎡、2人世帯なら55㎡以上が目安です。3人世帯が75㎡、4人世帯では95㎡が目安とされています。ただし、幼い子供がいる場合などは少し面積が狭くでも問題ないとされています。

ちなみに、快適さはともかく最低限必要とされている「最低居住面積水準」は単身世帯で25㎡、2人世帯が30㎡、3人世帯で40㎡、4人世帯で50㎡となっています。都心の駅チカ物件など価格が高くなりがちな中古マンションを探す際には、誘導居住面積水準を満たす物件が予算に合わないこともありますので、やむを得ない場合は最低居住面積水準をクリアすることが目標となります。

いい間取り悪い間取り

実際の取引で価格が上がる間取り、下がる間取りをいくつか紹介します

いい間取りの例

  • 形が正方形に近い
  • 入口がが部屋の中央付近
  • カウンターキッチン

悪い間取りの例

  • 部屋の形が細長い長方形
  • リビングの形が細長い
  • 通路が長くその面積が広い
  • リビングなど目立つところに梁がある

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子供の増加や成長も意識したい

面積計算において、幼い子供がいると面積が狭くても問題ないという考え方もありますが子供は着実に成長していきます。
住み替えが容易な賃貸と異なり、中古マンションを購入する際には長く住み続けられるお部屋のサイズの方が合理的です。
中長期的な視点で考えるなら、子供が成長してからも快適に暮らせる広さがあるかどうかを考える必要があります。

専有面積が狭くても部屋数が多い間取りなら子供部屋を確保しやすい

利便性の高い人気のマンションを狙うとなると、予算の関係上面積が狭くなってしまいがちです。ある程度やむを得ない事ではありますが、子供がいるなら間取り選びを工夫することで子供部屋を確保するなどの努力が必要になってきます。

例えば、専有面積が70㎡前後の物件では2LDKや3LDKが見られます。専有面積が同じでも部屋数が多いほうが世帯人数の多い家族に適した物件と言えます。
逆に人数がそれほど多くないのであれば、部屋数の少ない物件を選んだ方がリビングが広くなり、使わない物置のような部屋をなくすことが出来ます。

間取り選びの概要

初めて家を購入する、または家族が増えて広めの物件に引っ越しをするときなど、必ず検討することになるのが「間取り」ですよね。
例えば、単身の方が間取りを選ぶとするなら、1Kでしょうか?それとも1DKでしょうか?もしかしたら3LDKに住みたいなんて、ちょっとリッチな方もいらっしゃるかもしれません。そう、間取りとは「何人が居住するのか」ではなく、ライフスタイルや目的に合わせて選ぶのがベストなのです。そこで今回は「家族3人と家族4人の間取り」に的を絞って、人気の間取りを考えるコツを解説します。

マンションの間取りの変化でニーズが分かる

間取りと一口に言っても様々なものがあるのは皆さんご存知のとおりかと思いますが、そもそも間取りには予め決まった型のようなものがあるわけではなく、これまでに建てられてきた住宅や、その時代のニーズを反映したものが多いと言えます。

とはいえ、ニーズや流行が間取りを決めると考えると、その時点である程度は型が決まっているとも言えるかもしれません。そこで、昔から現在にかけて、マンションの間取りがどのように変化してきたのか改めて考えてみたいと思います。

例えば、高度経済成長期の頃であれば、マンションに住むという事だけでも一つのステータスでしたが、その頃の間取りと言えば、玄関を入ってすぐにDK、バスルーム、トイレがあり、その先に居室が2部屋、隣接してもう一部屋といったようなものが多くありました。要は、正方形に近い団地型の間取りです。

他にも、玄関を開けて右側に居室、廊下を少し歩いてDKやLDK、その先にまた居室というように、部屋の真ん中に団らんのスペースがあるものもポピュラーでした。


現在の新築マンションですと、LDKがバルコニーに面していない間取りのものもほとんど見なくなりましたが、昔はそれが普通だったのです。しかしながら、時代の変化とともに間取りにも変化が現れます。
玄関を入って最初にあるのは、左右に居室2部屋、そして廊下の途中にバスルームやトイレ、その先にバルコニーに面するLDKと和室が現れるといった、所謂「縦長」の間取りがポピュラーになっていきます。現在でも縦長タイプの物件は非常に多くありますが、それすら最近では古いというイメージがあるようです。

最近では、バルコニーと同じ幅に広がる「ワイドスパン」と呼ばれる物件が人気を博しており、LDKを縦ではなく横に広げて和室を引っ込めたもの、バルコニー側にあるLDKの両隣に居室を置いて玄関付近にバスルームやトイレを配置しているもの、場合によっては全ての部屋がバルコニーに面するものなど、極力すべての部屋に採光を取ることができる横長の間取りが人気となっています。

アンケートから分かる家族に人気の間取り

マンションの間取りの移り変わりを見てみると、家族の集まる場所に光を取り入れ、各居室を廊下の先に分離させないといったタイプに変化してきたのが分かります。家族が顔を合わせる機会を多くしたいという事の表れだとも言えるでしょう。

さてでは、ファミリータイプの中でも人気の間取りとはどんなものなのでしょうか。
単に、家族3人であれば3LDK、4人であれば4LDKといった風に考えるのが自然かと思いますが、具体的にどのような間取りが重視されているのかが分かるデータを見てみましょう。


不動産サイトSUUMOで行ったアンケート調査によると、注文住宅を建てた2000人のうち23.3%が3LDK、43.7%が4LDKという回答をしています。約半数近くが4LDKの家を建てたということですね。
そしてもう一つ、不動産情報サイトE-LIFEで行った調査によると、家を購入した100人のうち3LDKが26人、4LDKが39人となっており、SUUMOのアンケート結果と大差ありません。
つまり、家族3人、4人という人数に関わらず、多くの方が4LDKを希望しているという事が分かります。


更に、次のようなデータもあります。

三菱地所グループが運営する「スマイラボ」が327人に行ったアンケートの調査によると、327人のうち、毎日家族と一緒に食事をとりたいという人が全体の68.8%、毎日家族と一緒に食事をとることが重要だと考える人が79.8%となっています。
加えて、上記と同じ不動産サイトSUUMOの調査では、3000人へのアンケートで「パパが重視した部屋はリビング66.3%」「ママが重視した部屋はキッチン64.5%」という結果が出ています。


これらの調査結果から分かることは、やはり家族が集まる場所を重視している人が多いという事になります。実際に上記の「重視した部屋」の調査では、趣味の部屋を選んだ人は数%ほどしかいなかったのです。

最近流行の間取りの工夫

上記までのデータを一言でまとめるとするなら「4LDK以上で家族との団らんが可能な間取り」と言え、南側にLDKと全居室がある、若しくはLDKを横に広げることで採光が取れる間取りが現在のスタンダードになっています。

つまり、家族が自然と集まりやすい、若しくは顔を合わせやすい間取りが求められているのです。

では、戸建ての場合はどうでしょうか。
これまでは、1階にLDKと和室、2階に2~3居室といった間取りが主流であり、建売住宅の物件図面を見てもほとんどそのタイプです。
しかしながら、その間取りにも少し変化が表れてきました。主には以下のようなものです。

リビングイン階段

これまでの戸建て住宅のほとんどが、玄関を開けて目の前に階段があるというタイプでしたが、これでは家族が帰宅したときにリビングを通らずにそのまま自分の部屋へ直行してしまうことになり、顔を合わせる機会が少なくなります。

そこで、リビングに階段を配置するという戸建てが増えてきています。廊下と階段のスペースを極力少なくすることでリビングを広くできるだけでなく、必ずリビングを通ってから自分の部屋へ向かうことになりますのでコミュニケーションがとりやすくなるという効果が見込めます。

可動式の間仕切り

現在は家族が3人であっても、将来子供が増えた時に3LDKでは部屋数が足りないなんてことになるかもしれません。

とはいえ、リフォーム費用も嵩むことから、3LDKのままで誰かのプライベート空間を無くす必要に迫られることもあります。

そこで、最初は3LDKでも、将来子供が増えた時に子供部屋を増やせるように可動式の間仕切りにされる方も多くなっています。つまり、今は1部屋でも将来簡単に2部屋にすることができるのです。子供が小さいうちは1部屋で目一杯遊ばせて、物心つく頃に仕切りを作るといった自由度が増すため人気があるようです。

家事動線と生活動線

動線というのは、人が行動するラインのことを指します。例えば、キッチンの隣にランドリースペースがあって、そのままバルコニーに出られるようであれば、家事を行う人の動きに無駄が無くなります。これが家事動線です。

生活動線は、リビングとバストイレ、居室への行き来の線の事を指しますが、この家事動線と生活動線が複雑に絡み合ってしまうと狭さや不便さを感じたり、使いたい時にすぐに使えない場所が発生したりと、小さなストレスが蓄積していくことになります。

周辺相場と床面積から考えると割安なのに、販売が長期化してしまう原因の一つにこの導線が良くないという理由があります。間取り図からは分かりづらいですが、実際に家具や棚を置いたと考えてみると、どうしても生活しにくい部屋が依然あり、大幅な値引きの末にやっと成約したケースがありました。

2018年の記事のまとめ

戸建てや分譲マンションはもちろんですが、注文住宅となれば尚更、間取りについてシッカリ考える必要があります。積み木やブロックの家のように簡単に壊して作り直すことはできません。
家族の人数で間取りを決めるというこれまでの常識を一度見直し、「将来家族は増えるのか」「快適に過ごすにはどうしたらよいか」「家族との絆を深める間取りにしたい」といったように、帰るためだけの家ではなく、健康的で明るい住まいを目指すことにウエイトを置くことが、間取りを決める上で重要なことと言えるでしょう。

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